運送業界の働き方改革へ!業務の効率化を図れるトラック予約受付システム
トラックによる運送は、物流業界のなかでも大きな役割を果たしています。しかし、慢性的な人材不足の状況下でも運送需要は増え続け、業務の効率化が急がれています。特に課題となっているのがドライバーの長時間労働です。この記事では、長時間労働を解決するために活用が促進されている「トラック予約受付システム」について詳しく解説します。
目次
運送業界で改革が求められる長時間労働
物流拠点で発生する長い待ち時間
物流拠点では並んだ順番で荷役するため、受付開始直後などトラックが集中する時間は順番待ちで渋滞が発生することも珍しくありません。荷役のためのバースが空いていないことで渋滞する時間が長くなり、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
長すぎる待ち時間がドライバーの負担に
荷役のための待ち時間が1時間を超えるケースも多く、ドライバーの長時間労働につながっています。さまざまな業界で従業員のワーク・ライフ・バランスが重要視されるようになる一方で、トラック運送業界ではなかなか実現しない状況にあります。
従来の方式では、物流拠点に到着するまで自分がどの順番で作業できるのかも分かりません。時には早く並んで順番を取りたいと焦ったり、待ち時間が長いために配送が間に合わなくなるのではないかと不安になったりすることもあるでしょう。
ドライバーの働き方改革に向けた取り組み
このような状況を受け、国土交通省と厚生労働省では長時間労働を抑制することを目的として、2015年に「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」を設置しました。しかし荷主があってこそ成り立つトラック運送業界の改革は、トラック運送事業者だけの努力で成し遂げられるものではありません。そこで、トラック運送事業者や荷主なども参加した取り組みの結果、「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」がとりまとめられています。
また、2018年の「働き方改革関連法」成立や2019年の「改正労働基準法」施行により、長時間労働が常態化しているトラック運送業界でも労働環境改善の必要性が高まりました。
公益社団法人 全日本トラック協会では2018年に「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン(解説書)」をとりまとめ、具体的な取り組みが示されています。その中で挙げられている具体例のひとつが、「トラック予約受付システム」です。次の段落ではトラック予約受付システムについて、さらに詳しく紹介します。
トラック予約受付システムとは?導入で改善できることって?
「トラック予約受付システム」とは、ドライバーが倉庫に到着する時刻をスマートフォンなどの端末を使って予約できるシステムです。
ドライバーやトラック事業者側のメリット
トラック予約受付システムを活用することで、インターネットを通じてバースの状況が一目で把握できます。またドライバーは予約時間に合わせて受付をすればいいため、早く荷役作業をできるように急ぐ必要がなく、物流拠点に到着してから荷役できるまでの順番待ちで時間を取られることもありません。待機時間を削減できるため、ドライバーの労働環境改善につながります。予約時刻までは別の作業を行えるなど、時間を効率的に使うこともできるでしょう。
物流拠点側のメリット
物流拠点側にとっても、バースへの到着車両が分散されるメリットがあります。
また倉庫内では、設置されたディスプレイにリアルタイムの予約状況が反映されます。そのため、各トラックの到着時刻に合わせて倉庫内の人員を配置し、作業計画を立てることも可能です。作業が遅れている部分が可視化されるシステムであれば、より細かく状況が把握できるでしょう。
さらにドライバーが持つ端末から現在位置を取得できれば、到着が遅れそうなトラックも分かります。常に予約状況や作業状況が把握できていれば、物流拠点で作業する人にとっても良好な労働環境を確保できます。
さまざまなタイプのトラック予約受付システムが展開されている
多くはクラウド型のシステム構成で、スマートフォンはもちろんパソコンも予約端末として対応しています。ただ、予約者がドライバーなのか運送会社の担当者なのか、物流拠点の担当者も利用できるのかはシステムによって異なります。また、手持ちの端末ですぐに利用可能なシステムもあれば、発行されたIDを使ってログインするシステムやアプリを使うタイプもあり、特徴もさまざまです。
料金体系やどのくらいカスタマイズができるのか、個別のケースに柔軟な対応をしてくれるのかなどの詳細もシステムによって異なるため、自社や荷主の状況に合ったシステムを選ぶことが大切です。
運送業界でもIT化が進む現代ならではの働き方改革を!
IT化が進む現代において、運送業界でもトラック予約受付システムが開発され、業務の在り方が変わりつつあります。システムを導入することで業務の効率化が図れ、ドライバーの労働環境改善も期待できます。トラック運送業界に関わる人たちがよりよい環境で業務に従事できるよう、システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
全日本トラック協会のHPでは、「トラック予約受付システム導入に向けた基礎資料」が掲載されています。
▼全日本トラック協会HPはこちら(外部サイトにリンクします)
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